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LAMENTO 8  

2011年 09月 26日


「ペア、か。嫌だな」
 実技試験の日に休んだのは自分自身のせいだ。とはいっても、出会った奴全員が友人といえるほど社交的ではない。
「各個人でみりゃいいのに。いったい何をさせる気だ」
 準備室ではなく指定された訓練場へ向かう。
 訓練場の扉を開くとそこには既に数人の教師の姿がある。どうやら俺たち“アイン”とは別の学年も一緒に再試験をやるらしい。“ツヴァイ”と“ドライ”専属の教師たちの鋭い視線が向く。
「………」
 無言のまま教師の間で視線でのやり取りが交わされる。
 鋭く、そして冷めた眼差し。そんな幾つもの視線から逃れるように会釈をしてから“アイン”の教師の姿を捜す。
「――……いた」
 とびきり苦手な人物がいた。
 数人の教師陣の中でも一際目立つ風貌の男。竜種族の特徴である銀灰色の髪と深紅の瞳。だがそれは片方だけで、もう片方の瞳は眼帯で覆われている。幾何学模様が描かれた眼帯とそれと似た刺青が左腕に彫られている。
 実技担当の……ヴォルフ先生、だよな
 他人の名前を憶えることが苦手な自分でも、憶えていた名前。
 一際厳しい講義とその奇怪な容姿から噂の的となっている教師がそこには立っていた。


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# by zero-zerosijima | 2011-09-26 02:16 | LAMENTO

小休憩  

2011年 09月 12日


 先週から忙しい桜庭です。
 昼間はまだ日差しが強くて暑い日々がまだまだ続く。
 それでも夜の訪れが少しずつ早くなり、過ごしやすくなってきたように感じるよ。
 食欲不振になりがちなのが大問題(- w -)

 来週にはLAMENTOの続きを更新予定。 
 週末の予定が終わるまで、やや慌しい感じかと。
 なので今週は日記だけ。 桜庭は日記を綴るのが毎日じゃない。
 だからこれは『日記』じゃなくて『日記もどき』だと思う。
 本当は先週に更新したかったのだけれど……仕方ない。
 ということなので、来週更新致します


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# by zero-zerosijima | 2011-09-12 19:03 | 日記

LAMENTO 7  

2011年 09月 02日

 トリギストス魔学院――。
 そこはこの世界で唯一の、共存を赦された場所。
 そこに通う者は“資格”さえ得られれば入学することを許可される。
『意志か探究、どちらかを選べ』
 そのどちらかを選択し、そして『鍵』を手にした者だけその学院の扉を開くことが出来る。
 大陸の中央に位置する大樹の下に築かれた巨大な学術都市――トリギストス。そこは古から伝承されてきた『技術』を継承していく為には必要不可欠な場所であった。
 学院には『技術』の管理、継承以外にもその他に動植物を保護する特別管理保護区などが置かれている。言わばこの学院にある全ての物が、管理された『秩序』の元に成り立っていた。
「えーっと、第一実技訓練棟。ここだ」
 学院内の地図と見比べながら、俺は一つの大きな建物の前に立っていた。地図を何度か見比べて、実技訓練棟の第一施設だということを確かめる。
 今年の『花咲月』の季節。
 俺は三年間の初等部生活を終え、中等部へと進級した。初等部があるのは学院の東側で、中等部があるのは学院の西側。だから西側の施設のほとんどはまだ場所を把握しきれていなかった。
「ん? 連絡事項かな」
 建物に入り教師のいる準備室に向かおうとした時だった。手甲にはめられた尖晶石(スピネル)の結晶が淡く明滅した。
「教師の立会いのもと、実技測定。なお、各自ペアとなり測定を――」
 手元の鉱石を手甲から外すと鉱石から文章が浮かび上がる。ペアという言葉に思わず苦虫を噛み潰したような表情をしてしまった。


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# by zero-zerosijima | 2011-09-02 03:14 | LAMENTO

鬼灯の灯る頃  

2011年 08月 27日


 父方の実家である島、鬼灯島。
 高校一年生である峰岸悠斗はある日、夏休みを利用して失踪した兄を捜しにその島を訪れる。
 昔訪れた記憶を頼りに、島を散策していた悠斗だが――やがて島を巡るにつれて今まで感じたことのない感情と声に悩む日々を過ごす。
 島では夏に行う祭りの準備が進められ、悠斗も参加をするが祭りの夜、悠斗は何かに呼ばれるようにして独り、村の中央にある社へと向かう。
 そうして――


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# by zero-zerosijima | 2011-08-27 04:43 | あらすじ

LAMENTO 6  

2011年 08月 26日

「ゾネ。貴方、そう言って毎回借りていないかしら?」
「うるさい。俺は……数字学は苦手なんだよ。モントとは違うから」
 さっそく咎めてくるリーゼリットに言い返す。モントとは俺の双子の弟で、今は病気の治療のために入院している。
「お前らだって知ってるだろ。“俺たち”が得意科目が逆だっていうのは」
 今更言うことでもないだろう、と呆れた表情で呟く。けれど弟の名前を出した瞬間、二人の表情は凍りついた。その理由は……まあ、解っている。今の弟の――モントの病気の状態を二人は知っているからだ。だから“大人たち”と同じ反応になる。
「……っ」
「…ぁ……」
 気まずそうな、腫れ物を扱うような空気が生まれたのが分かる。肌でその空気を感じながらも、なんでもないように借りたノートを鞄にしまった。
 お前らも、そこだけは“あいつ等”と同じなんだよな……。
 昔から幼馴染のリンクスだからだろう。ぎこちない雰囲気を消し去るためか、すぐに話題を切り替えてきた。
「あっ、あのさ、ゾネ。皆でピクニックに行こうよ。今日は昼で講義も終わりなんだから」
「そうね。天気もいいのだから久しぶりに行くのもいいかも知れないわね」
「アカデミーの初等部以来だからな。――けど、無理だ。今日の午後、俺は補講なんだよ。中等部にきた初日、実技試験があっただろ? それ受けられなかったからさ」
「そうだったの? 貴方って本当に不真面目で不良なのね。初日の講義を受けないだなんて呆れてしまうわ」
「うっせーよ。どうとでも言え、真面目! まあ……だからさ、そんなわけだから二人で先に帰れよ」
 ヒョイと鞄を肩に背負って足早に教室の出口へと移動する。
「また週明けに会いましょう」
「またね。ゾネ」
 二人に手を振りながら別れを告げ、教室を後にする。
 アカデミーの廊下にはまだ人が溢れていた。様々な種族が行き交う中、隙間を潜り抜けながら実技専用の施設へと向かう。
 自分の時計石を確認すると、青から紫へと変化していた。


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# by zero-zerosijima | 2011-08-26 03:23 | LAMENTO

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